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更新日:2023/11/14(火) 公開日:2023/02/21(火)

新潟で一軒家を建て替える費用の相場は?

新潟で一軒家を建て替える費用の相場は?

一軒家の老朽化や家族構成の変化による建て替えを検討されている方において、気になるのは建て替えの費用です。

そんな建て替えについての費用相場を中心に分析していきます。

建て替えだからこそ掛かる費用や注意点を確認して、建て替えに対する疑問・不安を解消していきましょう。

それでは、まずは気になる建て替え費用の相場観から解説します。

1.建て替え費用の平均は3055万円

1-1.全国平均の建て替えの相場

まず建て替えとは、以前あった持ち家を壊して同じ敷地の中に新しく住宅 (持ち家)を建てる場合を指します。

国土交通省の「令和2年度住宅市場動向調査報告書」によると、建て替え(戸建て注文住宅)の全国の平均的な購入金額は3,055万円になっています。

一方、土地購入額を除いた新築注文住宅の全国平均は3,168万円(土地を購入した注文住宅新築世帯で平均 4,606 万円)となっているため、新規で家を建てる場合に比べて費用は少し安めになっています。

これは、お子さんの巣立ちなどに合わせて既存の家よりコンパクトにするケースもよくあり、一般的な土地から購入する新築注文住宅に比べて、費用を抑えることができます。

また、自己資金の平均額も紹介すると、自己資金平均額は1,715万円で自己資金比率が56.1%と高い値になっています。

建て替えの場合、世帯主の年齢別でみると50代(18.4%)・60代(63.2%)が合算で8割を超えています。

比較的、世帯年収に余裕がある世帯の割合が多いことが、自己資金の高さに影響していると言えます。

また、二世帯住宅として建て替える場合、親からの援助が期待できるケースが多く、自己資金の比率が高くなりがちです。

1-2.建て替えの家の規模と坪単価

また、建て替え後の延床面積の平均は115.9平方メートルで、坪数に換算すると、およそ35坪になります。

建て替えの場合は、コンパクトな平屋から二世帯住宅まで選択肢が幅広くなりますが、平均すると新築注文住宅の平均延べ床面積 117.1平方メートルと大きな差はない結果になっています。

この延べ床面積から購入金額を平米単価にすると26.4万円で、よく聞く坪単価換算では87.1万円となっています。

一般的な坪単価相場に比べて高いと思われた方も多いと思いますが、これは屋外の給排水管工事なども含んだ金額(購入金額)で算出しているため、総額に近い金額です。

ハウスメーカーなどの広告で見る坪単価とは、一般的に建物本体価格を坪数で割った金額で表記するため、これらの屋外付帯工事などを含んでおらず、総額の購入金額と乖離があります。

そのため、87.1万円という金額は実質的な総額に近い金額からの割り算と考えてもらうと良いでしょう。

1-3.建築コストの上昇が続いている

2021年後半ごろから、世界的にエネルギー価格が上昇しており、コロナ禍以前に比べると新築・建て替えにかかる住宅の資材費もコストアップしています。

ウッドショックと呼ばれており、世界的な木材の品薄に伴い価格の高騰が発生しています。

日経ビジネスの記事でも、木材価格は「輸入材」「国産材」ともに急騰し、コロナ前の価格から1.5~2倍の価格になっていると報じています。

日常的なガソリン価格・光熱費・物価の上昇を考えても、この上昇傾向はしばらく続く見方が多く、元の価格に戻る見込みは薄いとみる専門家が多いです。

地域や住宅の仕様によってもアップ率は様々ですが、コロナ前と比べると最低でも1割以上のアップになっており、令和2年時点の3,055万円から少し高い金額を想定しておくとよいでしょう。

実際に過去からの傾向をみても、建築コストは上昇傾向にあります。

【全国での建て替え費用の推移】

・平成28年度:3,249万円

・平成29年度:3,128万円

・平成30年度:3,491万円

・令和元年度:3,555万円

・令和2年度:3,055万円

【全国での新築注文住宅費用の推移】

・平成28年度:3,082万円

・平成29年度:3,061万円

・平成30年度:3,158万円

・令和元年度:3,183万円

・令和2年度:3,184万円

2.建物本体費以外にかかる費用とは

それでは、建て替えならではの、建物本体コスト以外に資金計画で考慮しておくべき費用を紹介していきます。

2-1.解体費用

建て替えでは、既存の住宅を取り壊すための解体費用が必須です。

既存住宅が木造の場合は3〜5万円 / 坪、鉄骨や鉄筋コンクリート造の場合は5万円〜 / 坪 が相場金額となっています。

一般的な木造35坪の家の場合、約105~175万円程度が解体費用の相場になります。

ただし、これらも産業廃棄物処理・様々なコストアップの関係から、昨今は相場も少し上がってきており、目安としては150万円程度と考えておくとよいです。

2-2.仮住まい費用

忘れがちな費用ですが、建て替えの場合は一時的に近所に引っ越しをしないといけません。

建て替えにかかる期間は、解体・整地・基礎着工~完成までで早い会社で約5ヵ月、一般的には6ヵ月~8ヵ月程度は賃貸などに仮住まいになります。

仮住まいにかかる費用としては、下記のようなコストを見込んでおきましょう。

・仮住まいの月数分の家賃

・敷金礼金などの各種手数料

家族が入居できる上に、荷物も保管できるような賃貸となれば、比較的面積が広いタイプや一戸建ての賃貸に引っ越す必要があり、賃料も決して安くないでしょう。

2-3.引っ越し費用

引越しを2回することになるため、こちらも安くない費用として考えておく必要があります。

一般的に引っ越しにかかる費用相場は、4人家族の同一市内であれば10万円程度(繁忙期以外)~12万円程度 × 2回をみておくとよいでしょう。

見積の際に同じ引越会社でやれば安くできないかなど、相談を持ち掛けてみるとよいでしょう。

2-4. 諸費用(登記費用や設計費用)

家には建築費用以外に、家を建てるために必要な手続きに伴う諸費用というものがあります。

諸費用には、以下のようなものがあり、建物費用の約1割かかると言われていますので、資金計画を考える際に忘れてはいけない項目です。

・登記費用

法務局で、その土地および建物の所有者を明確にしておくための手続きです。

建て替えの場合、既存住宅の登録を消すための「建物滅失登記」、そして新しい家の登録に伴う「建物表題登記」「所有権保存登記」をそれぞれ行います。

また登記を行うために司法書士に支払う手数料も発生します。

・住宅ローンにかかる費用

住宅ローンでは借入をするために、銀行への事務手数料や保証料、そして抵当権を設定するにあたって抵当権設定登記が発生します。

・税金

契約書の印紙税や、新しい建物を取得した時に発生する不動産取得税、登録免許税などの各種税金が掛かってきます。

・火災保険料

建て替えの際には新しい建物に対して火災保険を掛けておきましょう。

地震保険は考え方次第ですが、必要に応じて火災保険の一部として掛けておくことをおすすめします。

・新居で使う家具やカーテン

既存の家で使っている家具をそのまま使う場合は、余計なコストは掛かりにくいものの、せっかくの新築なら新しい家具がほしいと思う方も多いのではないでしょうか。

また、家具以外ではカーテンが盲点です。

既存の家から建て替える場合、窓のサイズや数が異なってくるため、使えないカーテンが多くなります。

カーテンは大きなサイズになってくると安い金額では無くなってくることや、窓の数が多くなるとその分だけ枚数が必要です。

・設計費用(大きな森では不要です)

設計事務所などに依頼すると、おおよそ建物金額の約1割程度が設計費用として設定されます。

こだわりの間取りやデザインにしたい、という方はこのような設計費用を見込んでいくとよいでしょう。

3.建て替えの形態で変化する費用相場

ここでは建て替え後の住宅の形態別に、気になる費用相場や注意点などをみていきましょう。

3-1.二世帯の場合

二世帯住宅の場合、水まわり設備を世帯ごとに設けると、費用が高くなります。

当然、家族ごとの価値観・形態・資金計画などとのバランスになってきますが、同居型・分離型でも費用が大きく変わります。

同居型は、サザエさんの家を想像してもらうと分かりやすいですが、キッチンやお風呂などが1個で、家族で共有する形態です。

この形態の場合、一般的な4人家族+親世帯(1~2人)で、各個室やリビングダイニングを大きくする分だけ、面積を大きくすればよいです。

一方、分離型と呼ばれる二世帯住宅は、水まわり設備を各世帯でそれぞれ設ける形態です。

玄関を一緒にするか分けるか、でもコストが異なってきますが、水まわり設備のパターンで費用が大きく変わってきます。

一般的に二世帯住宅で水まわりを別々にする分離型の場合、平均的な建て替え費用である3,055万円を大きくオーバーしてくることが想定されます。

当然、分離型の方がお互いの世帯に気を遣う場面が少ない一方、コストとしては高くなるため、世帯全体で話し合っておきましょう。

3-2.平屋の場合

一方、子どもが巣立って、夫婦だけの家として2階建てなどを平屋へ建て替えるニーズも増えてきています。

ただし、平屋での費用に関する注意点は、2階建てに比べて割高になることです。なぜなら同じ坪数の場合、2階建てよりも基礎工事と屋根工事が大きくなるためです。

しかし、4人家族であれば35坪程度の住宅が一般的ですが、夫婦2人暮らしであれば30坪以下の住宅でも問題なく暮らすことができるため、コンパクトに設計をすることで総コストを抑えることができます。

平屋は階段がないため、足腰が弱ってきたりする世代にとっては日常生活におけるリスクを低減することができ、健康寿命を伸ばすことにもつながります。

4.まとめ

建て替え費用の平均的な相場は、令和2年度の場合では3,055万円です。

ただ、家族構成の変化、建て替える住宅の形態によっても費用相場と大きく異なるため、あくまで目安の金額として参考にしてください。

特に建て替えは、二世帯住宅や夫婦2人の平屋といった様々なパターンがあります。

また2022年頃からは不動産価格の上昇傾向にあり、それ以上の費用相場であることはほぼ間違いないため、余裕を持った資金計画をたてることと建築費用以外のコストも注意ポイントです。